お香の効果と種類~焚くときの注意点
お香の香りを嗅ぐと、何だかなつかしい思い出がよみがえりませんか?
お香も落ち着きますが、最近はお香よりアロマオイルの香りをよく楽しんでいます・・・
アロマオイルの方が、香りの調節がしやすかったり、灰の処理をしなくてよかったりと気軽にできるからなんですよね〜
でも、しのばせておくだけの「匂い袋」など日本人の奥ゆかしさも兼ね備えているような・・・お香もまた楽しみたくなってきました!
そこで、お香をより楽しむためにお香についてあれこれ調べました!
お香の歴史
香木を炊き、香りを鑑賞する風習は、奈良時代以前からあったのではないかとされています。
「日本書紀」にもお香に関する記述がみられます。
平安時代に入り香料を選んで練り合わせることで
↓
■香気を楽しむ・・・薫物(たきもの)
■衣服に香を焚きこみ、そこに移った香りを楽しむ・・・移香(うつりが)、追い風(おいかぜ)、誰が袖(たがそで)
■部屋に香りをくゆらす・・・空薫(そらだき)
などが貴族生活のなかでさかんに行なわれるようになっていきます。
「源氏物語」や「枕草子」にもそういった記述が見られるんですね。
その後、「香道」としての所作や香木の判定法などが確立していきました。
現在では、「茶道」「華道」「書道」とともに「香道」としても親しまれています。
香りの種類と効果
●サンダルウッド(白檀:びゃくだん)
原産地はインド。紀元前5世紀ごろには高貴な香木として使用されていました。
特有の甘さと落ち着きのある香りが特徴です。
鎮痛効果・利尿作用・抗菌作用があるといわれています。
●シダー(沈香:じんこう)
正しくは「沈水香木」といいます。普通、花も葉も無香ですが150度以上に加熱することにより独特の芳香がします。同じ木から採取しても香りが微妙に違うことから、香木をあてる組香などに多く用いられます。
高雅な香りで感性を研ぎ澄ませ、精神を安定させます。
●アローズウッド(伽羅:きゃら)
沈香のうち、特に質がよく希少価値のあるもののことです。現在ではワシントン条約の希少品目に指定されています。
ベトナムなどの一部地域でのみ産出される原木を土に埋め熟成します。年月をかけることで複雑で魅惑的な香りになります。
イライラを落ち着かせる作用があります。
●クローブ(丁子:ちょうじ)
興奮を沈め、気持ちを落ち着かせます。
●シナモン(桂皮:けいひ)
甘くスパイシーな香りで、穏やかな平常心を取り戻します。
●ターメリック(鬱金:うこん)
冷静沈着な気持ちになります。
香りといっても人から聞いて「いい香りよ」といわれても自分はどう感じるか?
自分に合う香りを見つけられるといいですよね。
形の種類
<直接火をつけるタイプ>
●スティック(棒状)タイプ
最も一般的にみられ、均一に香りが広がりやすいです。5~6㎝のものから70cmくらいまであり、使い方や香りの種類も豊富です。
お香立ては、縦に差し込めるものか、横に差し込めるものを用意します。
●コーン(円錐型)タイプ
短時間で香りが広がり、灰が散らない形状です。煙が多くでやすいため、リビングなどの広い空間や人の集まる広い場所での使用に適しています。
お香立ては、不燃性の器や皿を用意します。
●コイル(うず巻き)タイプ
蚊取り線香などに見られる形です。長い時間炊きたいときに向いています。が一旦火をつけると調節は難しいでしょう。後片付けは簡単です。
お香立ては、不燃性の器や皿を用意します。
<間接的に熱を加えるタイプ>
●香木(こうぼく)
香木の炊き方は繊細な香りを味わう「聞香」とお部屋の空気を楽しむ「空薫」があります。
●練香(ねりこう)
粉末にした各種の香料に蜜や梅肉を加えて練り上げ一定期間壺の中で熟成させたものです。
主に茶の湯の席で用いられます。
●印香(いんこう)
配合した香料を様々な形(花、扇子、紅葉など)に押し固めたお香です。
熱灰の上にのせて薫じます。
<常温で香るタイプ>
●匂い袋
お部屋に置いたり、バックの中にしのばせたり、タンスの中にいれたりします。
焚くときの注意点
2.燃えやすいものを近くに置かない。
3.不安定な場所で焚かない。
4.火を焚いているので、そばから離れない。
5.風がくる場所(エアコンなども)の近くで焚かない。
6.壁にヤニなどの汚れが付くのが気になるようであれば、蓋付きの香炉をしようするようにする。
他の注意点として
●保存する時は、直射日光を避け除湿剤とともに保管します。
●自分にはいい香りでも、他の人にとってもいい香りとはかぎりませんので、香りがもれて周囲の人に迷惑にならないように気をつけます。
部屋の中が自分の好きな香りで満たされると癒され気持ちも上向きになりますが、煙などで部屋が充満しないように換気には気をつけたいですね。
スティックタイプのものでも、一度に何本も焚かなくても、1本で10畳ぐらいのお部屋なら十分だと思います。
香りに慣れてくると余計に焚きたくなりますので注意が必要ですね。