かつて日本も秋入学だった!なのに今は秋入学制度導入が難しいのはなぜ?
先日、フランス在住の親戚の子が大学に合格した!との知らせを受けました。
そう欧米は入学は9月なんですよね~
ですから、7月ごろが合格発表の時期なんです。
欧米、中国などは小学校・中学校・高等学校・大学の入学は9月なのに、どうして日本だけ4月なんでしょうね?
目次
日本も9月入学だった?
実は日本も明治時代のころは、9月入学だったそうです。
江戸時代の寺小屋や私塾などは、髄時、入学できていたのが、明治維新により、西洋教育が導入され、それから高等教育では9月入学が主流になりました。
それから明治19年には、富国強兵政策の影響により、政府の会計年度など様々な新年度が4月から始まるようになったそうです。
この会計年度に合わせて、小学校、陸軍入隊、高等師範学校が4月入学になりました。
これに対し、帝国大学や旧制高校は9月入学を維持していましたが、大正8年に旧制高校が、大正10年には帝国大学が4月入学となったようです。
へぇ~日本も9月入学の時代があったなんて、意外でした。
秋9月の入学は日本ではむずかしい?
2011年に東京大学が、大学のグローバル化・競争力向上のために9月入学への移行の検討を開始したそうですが、結局、秋入学制度は見送り、代わりに4学期制を2015年から導入したそうです。
秋入学制度が見送られた理由
なぜ、秋入学制度が見送られたかというと、大きく次の2つの理由があったんですね。
①1つ目は、医師国家試験や司法試験などの国家試験が、春に卒業することを前提として日程が組まれていて、この時期が変わらないこと。
②2つ目は、就職活動時期は春の入学を前提に組まれていて、秋入学の学生には不利になること。
なるほど、1校だけ制度を変えるってわけにはいかないのですね。
東大が考えた秋入学のメリットとデメリット
メリット
●秋入学導入によって欧米の学期に合わせられ、海外からの留学生を迎え入れやすく、また日本から海外への留学がしやすくなる。
●高校卒業から大学入学までの空いた期間(ギャップイヤー)に、ボランティア、インターンシップなどの経験ができる。
●企業の新卒採用の時期が一律でなく多様化していくきっかけになる。
デメリット
●春入学と秋入学が混在することにより、入試、就職、大学間交流が混乱する。
●修業期間が長くなり、親の家計負担が増えたり、卒業後の年金などにも悪影響を与えてしまう。
一斉に秋入学制度に変更するには?
結局、1校のみが秋入学制度に変更するには、既存の社会環境が変わらないことには、難しいってことですが、日本のすべての学校を一変に9月入学に変えればいいとも考えられますよね~
この秋の9月入学に変えることは、最近でも政府で何度か検討されてたんです。(1980年代の中曽根内閣、2006年にの安倍内閣時)
しかし、制度改変に伴う国の負担増やギャップイヤーの学生・保護者の負担などがネックとなってむずかしいようです。
世界各国の入学式はいつ?
なかなか日本の学校が9月入学に変わることは、簡単ではなさそうですが、世界各国の入学時期っていつなんでしょうか?
ちょっと調べてみました。
●アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国
9月
●オーストラリア、ニュージーランド
1月末~2月初め
●シンガポール
1月
●タイ
5月
●フィリピン
6月
だいたいの目安として上記のとおりですが、国の中でも州や学校によって異なるケースもあるようです。
それにしても、意外にまちまちなんですね~
これには、それなりに理由があります。
海外は夏休み明けから新学年が始まるケースが多いのですが、オーストラリアやニュージーランドは南半球にあるので、季節が北半球と逆で夏休み明けは1月末~2月初めになるんですね。
シンガポール、タイ、フィリピンは四季がなく乾季や雨季が一番長い休みとなり、この長期休み明けに入学、新学期が始まるようです。
現在日本の4月入学は桜の時期で、風情があって何かいいですよね〜
あえて変えなくても・・・と思う反面、グローバル対応、グローバルな人材を育てるという面で考えれば、いつかは9月に入学できるように変わった方がいいのかもしれませんね。
そのうちインターネットを使った教育が進化して、入学時期自体、個人に合わせていつでもできるように変わってしまうかもしれませんけどね。