ウツボカズラなど食虫植物の種類ごとの育て方は?
食虫植物とは「虫を食べる植物」のことですが不思議ですよね~
植物なのに虫を食べるなんて・・・
最近ではホームセンターなどでも食虫植物を買えますから、蚊やハエを食べてもらうのに便利な感じがします。
食虫植物は葉などで虫を捕まえて消化したり、栄養を吸収しますが、もちろん通常の植物と一緒で光合成を行い二酸化炭素を吸い、酸素を出します。
観葉植物として飾っておくのもいいですよね。
その時、気になるのが食虫植物の育て方です。
代表的な食虫植物の「虫の取り方」や「育て方」をまとめてみました。
虫の取り方
食虫植物と呼ばれるには次のような条件があります。
①虫を誘う。
②虫を捕食する。
③虫を消化する。
④虫から栄養を吸収する。
⑤吸収した栄養を成長に役立てる。
この中で「虫を捕食する」方法として次の方式があります。
●落とし穴式
ウツボカズラ科、サラセニア科など。
●はさみわな式
モウセンゴケ科のハエトリグサ属やムジナモ属など。
●粘ばりつけ式
モウセンゴケ科のモウセンゴケ属、タヌキモ科のムシトリスミレ属など。
●袋わな式
タヌキモ科のタヌキモ属など。
虫を食べるといっても、いろんな捕食方式があるんですね。
食虫植物の種類ごとの捕食方法、育て方
ウツボカズラ
自生地:東南アジア
捕食方法
・蓋の裏にある蜜に誘われ、虫が近づいてきます。
・襟の部分にとまると、中に滑り落ちて捕虫袋の中で消化、吸収されます。
育て方
直射日光を避け、日当たりのよい屋外に置きます。
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。乾燥防止のために葉にも霧吹きでスプレーします。
気温が15度以下になる冬場など室内に移動して日当たりがよく通気性のよい場所に置きます。
サラセニア
別名:ヘイシソウ
自生地:北アメリカ
捕食方法
・蜜に誘われ、虫が近づいてきます。
・中に滑り落ちた虫は逆毛によって底部に落ち、捕食葉の中で消化、吸収されます。
育て方
直射日光が当たってもよいほど、日当たりのよい屋外に置きます。
底面からと上からの両面から水やりをします。
冬場でも屋外で越冬させます。
ハエトリグサ
別名:ディオネア、ハエジゴク
自生地:北アメリカ
捕食方法
・針状の突起の根元にある蜜に誘われて虫がやってきます。
・葉の内側にある感触毛に2度触ると素早く(0.5秒)葉が閉じて虫を閉じ込め、消化、吸収していきます。
育て方
1日6時間ほど日が当たる場所に置きます。(真夏は直射日光を避けます)
底面から水をやりますが、夏場は上からも水をやります。
冬場でも屋外で越冬させますが、雪や霜にさらされ凍結しないように注意する。
モウセンゴケ
別名:ドロセラ
自生地:ヨーロッパ、南北アメリカ
捕食方法
・虫が腺毛の上にとまると、腺毛が巻き込むように動いて虫を捕捉します。
・腺毛から消化液を出して消化、吸収します。
育て方
直射日光を避け、日当たりのよい屋外に置きます。
底面から水やりをしますが、夏場は土の表面にもたっぷり水をやります。
ミミカキグサ
別名:ウトリクラリア自生地:温帯から熱帯にかけての地域
捕食方法
・地中にある捕虫嚢の感覚毛に虫が触ると弁が内側に開き、スポイド式で虫を捕えます。
・弁を閉じて、捕まえた虫を消化、吸収します。
育て方
夏場は直射日光を避け、日当たりのよい屋外に置きます。
底面から水やりを行い、常に水が張っているような状態にします。
ムシトリスミレ
別名:バターワート
自生地:ヨーロッパ、アジア
捕食方法
・腺毛の上に虫がとまります。
・捕虫葉の両縁が虫を巻き込み、お椀のような形になり、無柄線から消化液を出して、消化、吸収します。
育て方
屋外、屋内どちらでもよいですが、半日陰の場所に置きます。(夏場は直射日光が当たらないように遮光します。
底面からと上からの両面から水やりをします。
気温が10度以下になったら、日当たりのよい室内に移動します。
同じ食虫植物でも自生地が様々なせいもあり、日差し、温度、水やりの仕方などそれぞれ変わってきます。
種類に応じた育て方を知ってきちんと育てながら、虫の捕食方法を観察するのも楽しそうですね!