生ハムの作り方って意外に簡単! 保存方法と注意点は?
ワインに合う食べ物といったら、チーズ、生ハムが真っ先に浮かんできます、
輸入物の生ハムでおいしそうなものは結構なお値段ですよね。
最近は日本のメーカーがお手頃価格のものを出していますけど、あっさりしたものが多くちょっと物足りない感じがします。
そんな生ハムですが、意外に簡単に手作りできるんです。
目次
生ハムとは?
ハムは一般的な家庭でも朝食などで登場する機会が多いと思います。
しかし生ハムは少し高価なこともあり、なかなか食べることは少ないと思います。
ハムの歴史は古いみたいです。
紀元前7000年頃には豚が家畜として飼育されていました。
農耕文化の広がりで人の生活は変化していきましたが、地域の気候により家畜が盛んとなり、効率的な保存食方法として生ハムが生まれたようです。
詳細な発祥は不明ですが、家畜の発生とほぼ時を同じくしてその歴史は始まったと言われています。
紀元前3500年頃にはバビロニアやエジプトに生ハムが生まれ、中国には紀元前4800年頃には生ハムが存在したようです。
ハムの基本的な定義は、「豚の後肢を原料として塩漬し、乾燥や燻煙、加熱したもの」となり、保存食のために塩漬けを基礎としています。
この辺は荒巻鮭などと同じですね。
もっとも日本では、部位にかかわらず形態的なものをハムと呼ばれ、ヨーロッパでは豚の後肢で作られたものをハムと呼んでいます。
日本での肉食は幕末以降のことであり、湿度も高く土地が豊かで1年中食べ物を採取できる日本では、ヨーロッパのように長期保存の食肉文化が花開きませんでした。
特に生で肉を食べるという感性は理解が低く、日本に浸透したのも戦後の事です。
その為、日本ではハムは加熱加工するものが主になりました。
なので、日本でハムはロースハム・ボンレスハムなどが代表です。
しかし近年になり、ようやく本来の文化である生ハムが注目されるようになってきました。
本来、世界的に見てもハムとは生ハムなどの燻煙するものが主であり、加熱するものは少ないです。
日本で製造される生ハムの90%以上がドイツ系列にあり、ドイツでも基本は生ハムで、加熱加工したものはとても少ないです。
例えば世界3大ハムと呼ばれる「パルマハム(プロシュート・ディ・パルマ)」「ハモン・セラーノ」「金華ハム(金華火腿)」も全て生ハムです。
ドイツでは一般家庭でもよく口にする一般的な食材です。
ドイツでの基本的な食べ方は食事の前菜としてそのまま食べたり、ライ麦パンや黒パンに乗せて食べるなどがあります。
そのほかにも果物に巻いて食べたりもします。
生ハムの作り方
生ハムの作り方には大きく分けて2種類あるようです。
●一つは塩漬けして乾燥させ、発酵させるタイプ。
●そしてもう一つは燻製(冷燻)するタイプになります。
多くは燻製(冷燻)する方法で作成した生ハムが多いと思います。
簡単にまとめると作りかたは
①塩漬け(1週間)、
②風乾(1~2日)、
③燻製(2~3週間)といった工程になります。
肉を加熱しないので、気温が低く、乾燥している冬季にしか作ることが出来ません。
10度以下が目安になりますが、なるべく低い温度を保つようにして作業します。
しかも、豚肉は寄生虫や病原体が潜んでいるため、しっかりと火を通してから食するようにと昔から言われています。
家庭で作るには燻製は少しハードルが高いと思います。
なので今回はこちらではなく、パンチェッタという塩漬けする方法をご紹介していきたいと思います。
パンチェッタ・家庭の生ハム
<材料>
●豚肉塊(バラ、ロースなど)
●塩:肉の重さの8%
●ハーブ(バジル、ローズマリー、月桂樹など) 適量
●胡椒 適量
<作り方>
①肉にフォークで穴を開けて、分量の塩をまぶす。
②胡椒、ハーブを。ハーブは臭い消し
③肉をキッチンペーパーでくるみ2週間ほど冷蔵庫に保存。(濡れたら毎日変える)
④周りが乾燥してきているなら完成です。
食べる前に塩抜きをしますが、これは好みで。
染み込み具合などが個々で違ってくるのでしょっぱかったらしてください。
省いて好きなサイズに切ってそのまま食べればさほど問題ありません。
また、塩抜きをすると保存できる期間が短くなるので、そのままでの使い道を考えたほうが使い勝手は良いと思います。
塩抜きしていないパンチェッタを単体で食べると、塩味が濃すぎるかもしれませんが、この濃い塩味を見越してカプレーゼに加えたり、サラダに加えたりしても。
私はこのやり方で一週間漬け込んで塩抜きをして、段ボールで作った燻製器で半日燻製してベーコンを作ったことがあります。
材料費が安いのに美味しい!
一回自家製を作ってしまうと市販のが物足りなくなってしまいます。
ちょっと慣れると、もう生ハムとかベーコンとか買うのがもったいなく感じると思います。
生ハムの保存方法
生ハムは種類によって保存方法が異なってきます。
●塩漬けして乾燥させ、発酵させるタイプ
冷蔵保存で3〜6ヶ月が目安と言われてますが、自家製のものは、できれば2〜3週間内に消費したほうがいいと思います。
自家製パンチェッタの生食は様々なリスクも伴いますので、それらを理解した上で自己責任でご賞味ください。
気温が高めな冬や夏場は腐りやすので毎日状態をチェックしてください。
●燻製するタイプ
−10度以下の冷凍保存になります。
生ハムの塊をスライスした後の保存ですが酸化や乾燥を防ぐために、切り口に脂身で擦り、それからオリーブオイルを塗ってラップで包みます。
生ハムを食べる時に
・ぬめりがないか?
・変なにおいがしないか?
・ちょっと口に入れて味が変でないか?
を確認し注意してから食べてください!
新鮮な肉を!
生ハムを作る際、街の肉屋さんに生ハムを作ろうと思うんだけれど・・と相談すると良いと思います。
加熱するわけではありませんので、出来るだけ新鮮な肉を用意しましょう。
自宅で趣味範囲で作っている人がネットでも見られますが、寄生虫などの被害は今のところ聞いたことがないので夏場とかでないなら心配はほとんどないと思いますが、寄生虫や病原体などについては自己責任なのでくれぐれもご注意を!
生ハムの美味しい食べ方
サラダ、サンドウィッチの具として使ってみるのも美味しい食べ方です。
厚切りにして生ハムステーキも。
日本で有名な生ハムの食べ方に、生ハムメロンがありますが、イタリアで夏によく食べられる料理です。
元々はメロンの青臭さをごまかすための食べ方だったようです。
しかし塩分が非常に強く、そのままで食べるのがつらい人たちにとっても、メロンの甘味が生ハムの塩辛さを和らげ、またメロンの甘味も引き立ててくれるので、一躍有名な食べ方になりました。
生ハムイチジクなどがあるようです。
イタリアには他にも「洋ナシとゴルゴンゾーラチーズ 」などのように、強い塩分の食材を和らげるために色々な組み合わせの料理があるみたいです。
面白いですね。
今回は生ハムについてでした。
一回作ってしまうとなかなか面白い食材ですね。
味はもちろんですが使うハーブで風味が変わってきてその家庭の味を探求していくのもいいでしょう。
手間ヒマかけて一度トライしてみるのもいいですね。